落とし物管理アプリ 仕様書
落とし物管理アプリ 仕様書
1. システム概要
1.1 目的 施設内で発見された落とし物の一元管理と、持ち主への迅速な返却を実現するシステム。法定保管期間の管理と業務の標準化により、効率的な落とし物管理業務を支援します。
1.2 システムの特徴
- 写真付き詳細管理: 落とし物の外観を写真で記録し、視覚的な照合を可能に
- 法定保管期間の自動管理: 3ヶ月の保管期間を自動計算し、期限前にアラート通知
- 高速検索機能: キーワード検索により、問い合わせに即座に対応
- 返却プロセスの標準化: 受付から返却までの業務フローを統一し、記録を保持
---
2. 業務フロー
2.1 落とし物発見から返却までの全体フロー
graph TD
A[落とし物発見] --> B[落とし物の受付・登録]
B --> C[写真撮影・詳細記録]
C --> D[保管場所へ格納]
D --> E{問い合わせあり?}
E -->|はい| F[検索・照合]
F --> G{該当物品あり?}
G -->|はい| H[身元確認]
H --> I[返却手続き]
I --> J[ステータス更新:返却済み]
G -->|いいえ| K[問い合わせ記録]
E -->|いいえ| L{保管期限到達?}
L -->|いいえ| E
L -->|はい| M[期限アラート通知]
M --> N[処分手続き]
N --> O[ステータス更新:処分済み]
2.2 詳細業務フロー
フェーズ1: 受付・登録(担当者が実施)
- 落とし物の発見
- 施設スタッフが落とし物を発見・預かる
- 発見場所、発見日時を記録
- システムへの登録
- kintoneアプリを開く
- 新規レコード作成
- 必須項目の入力:
- 受付日時(自動入力)
- 落とし物カテゴリ(選択)
- 物品名
- 発見場所
- 発見日時
- 受付担当者(自動入力)
- 写真撮影
- 物品の外観を複数角度から撮影
- 特徴的な部分(ブランドロゴ、傷、汚れなど)を撮影
- 写真を添付フィールドにアップロード
- 詳細情報の記録
- 色、サイズ、ブランド、特徴などを記述
- 内容物がある場合は概要を記載(個人情報は記載しない)
- 保管処理
- 保管場所を決定・記録
- 物品に管理番号タグを付与
- ステータスを「保管中」に設定
フェーズ2: 問い合わせ対応(担当者が実施)
- 問い合わせ受付
- 来訪者または電話での問い合わせを受付
- 落とした日時、場所、物品の特徴をヒアリング
- システム検索
- カテゴリ、キーワード、日時範囲で検索
- 該当する可能性のある物品をリストアップ
- 写真を確認しながら照合
- 該当物品の確認
- 問い合わせ内容と一致する物品を特定
- 詳細な特徴の確認(色、サイズ、特記事項など)
フェーズ3: 返却手続き(担当者が実施)
- 本人確認
- 身分証明書の提示を依頼
- 物品の詳細な特徴を質問(第三者による不正受取防止)
- 内容物の確認(該当する場合)
- 返却処理
- 返却日時を記録
- 受取人情報を記録(氏名、連絡先)
- 受取書へのサイン(任意)
- ステータス更新
- ステータスを「返却済み」に変更
- 返却完了日時を自動記録
- 備考欄に返却時の特記事項を記載(あれば)
フェーズ4: 保管期限管理(システム自動+担当者確認)
- 期限の自動計算
- 受付日から3ヶ月後を保管期限として自動計算
- 期限2週間前:担当者にリマインド通知
- 期限1週間前:再通知
- 期限到達:最終アラート
- 期限物品の確認
- 保管期限到達物品のリストを確認
- 最終確認(問い合わせの有無など)
- 処分手続き
- 処分方法の決定(廃棄、寄付など)
- 処分実施日の記録
- ステータスを「処分済み」に変更
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3. アプリ構成
3.1 フィールド定義
フィールド名 | タイプ | 必須 | 説明 |
---|---|---|---|
管理番号 | レコード番号 | 自動 | 自動採番(例: LF-0001) |
ステータス | ドロップダウン | ○ | 保管中/返却済み/処分済み |
受付日時 | 日時 | ○ | 自動入力 |
カテゴリ | ドロップダウン | ○ | バッグ類/財布・貴重品/電子機器/衣類/傘/その他 |
物品名 | 文字列(1行) | ○ | 例: スマートフォン、黒い財布 |
発見場所 | ドロップダウン | ○ | エントランス/会議室/トイレ/駐車場/その他 |
発見日時 | 日時 | ○ | 実際に発見された日時 |
色 | 文字列(1行) | - | 例: 黒、紺色、赤など |
ブランド | 文字列(1行) | - | 判明している場合のみ |
サイズ | 文字列(1行) | - | 大/中/小、または具体的なサイズ |
特徴・詳細 | 文字列(複数行) | - | 傷、汚れ、特徴的な装飾など |
写真 | 添付ファイル | - | 複数枚添付可能 |
保管場所 | 文字列(1行) | ○ | 例: 棚A-3、ロッカー12 |
受付担当者 | 作成者 | 自動 | レコード作成者が自動入力 |
保管期限 | 日付 | 自動 | 受付日+3ヶ月で自動計算 |
期限アラート | 文字列(1行) | 計算 | 期限までの残日数を表示 |
返却日時 | 日時 | - | 返却時に入力 |
受取人氏名 | 文字列(1行) | - | 返却時に入力 |
受取人連絡先 | 文字列(1行) | - | 返却時に入力(任意) |
処分日 | 日付 | - | 処分時に入力 |
処分方法 | 文字列(1行) | - | 廃棄/寄付など |
備考 | 文字列(複数行) | - | その他の特記事項 |
3.2 ビュー設定
保管中一覧(デフォルト)
- 絞り込み: ステータス = "保管中"
- ソート: 受付日時 降順
- 表示フィールド: 管理番号、受付日時、カテゴリ、物品名、発見場所、保管期限、期限アラート
期限間近一覧
- 絞り込み: ステータス = "保管中" AND 保管期限 <= TODAY() + 14日
- ソート: 保管期限 昇順
- 表示フィールド: 管理番号、物品名、保管期限、期限アラート、発見場所
返却済み一覧
- 絞り込み: ステータス = "返却済み"
- ソート: 返却日時 降順
- 表示フィールド: 管理番号、物品名、受付日時、返却日時、受取人氏名
カテゴリ別集計
- グラフ: 円グラフ
- 集計軸: カテゴリ
- 集計条件: ステータス = "保管中"
3.3 アクセス権限
ユーザー区分 | 権限内容 |
---|---|
管理者 | 全レコードの閲覧・編集・削除が可能 |
担当者 | 全レコードの閲覧・編集が可能、削除は不可 |
閲覧者 | 全レコードの閲覧のみ可能 |
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4. 通知設定
4.1 保管期限アラート
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5. 計算式設定
5.1 保管期限の自動計算
DATE(YEAR(受付日時), MONTH(受付日時) + 3, DAY(受付日時))
5.2 期限アラートの表示
IF(ステータス = "保管中",
IF(保管期限 < TODAY(), "期限超過",
IF(保管期限 <= TODAY() + 7, "あと" & (保管期限 - TODAY()) & "日",
IF(保管期限 <= TODAY() + 14, "あと" & (保管期限 - TODAY()) & "日", "")
)
),
""
)
---
6. 運用ルール
6.1 登録時のルール
- 受付から24時間以内に必ずシステム登録を完了する
- 写真は最低2枚(全体像と特徴部分)を撮影する
- 貴重品(現金、カード類、重要書類)は別途厳重管理し、その旨を備考欄に記載
- 個人情報が含まれる物品は、詳細を記載せず「個人情報あり」とのみ記載
6.2 問い合わせ対応時のルール
- 本人確認を必ず実施する(身分証の確認、物品の詳細確認)
- 電話での問い合わせには写真の特徴のみ伝え、安易に「ある」とは断言しない
- 該当物品がない場合も、問い合わせ内容を備考欄に記録しておく
6.3 保管期限管理のルール
- 期限2週間前の通知を受けたら、該当物品の状況を確認する
- 期限到達後も、貴重品については追加で1週間保管を継続(判断による)
- 処分時には、写真のみ記録として残し、物品は適切に処分する
6.4 データ保持期間
- 返却済みレコード: 1年間保持後、管理者が定期的にアーカイブ
- 処分済みレコード: 3年間保持後、管理者が定期的にアーカイブ
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7. 導入効果
7.1 期待される効果
- 業務効率化: 検索時間の短縮により、1件あたりの対応時間を平均5分削減
- 返却率向上: 写真による視覚的照合により、返却率が約20%向上
- コンプライアンス強化: 法定保管期間の確実な遵守
- トラブル削減: 記録の一元化により、紛失や取り違えのリスクを軽減
7.2 KPI
- 返却率: 目標60%以上
- 平均対応時間: 目標10分以内(検索~照合まで)
- 期限超過率: 目標5%以内
- データ登録完了時間: 受付から24時間以内100%達成
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8. 今後の拡張案
8.1 機能拡張候補
- メール通知機能: 問い合わせがあった方へ、該当物品発見時に自動通知
- QRコード管理: 管理番号のQRコードを生成し、物品タグとして活用
- 統計分析: 発見場所別、カテゴリ別の傾向分析レポート
- 多言語対応: 外国人利用者向けの英語・中国語表示
8.2 他システムとの連携
- 施設予約システムとの連携(イベント開催時の落とし物増加に対応)
- セキュリティカメラとの連携(発見場所・時刻から映像確認を効率化)
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9. 付録
9.1 落とし物カテゴリの詳細定義
カテゴリ | 含まれる物品例 |
---|---|
バッグ類 | ハンドバッグ、リュックサック、ショルダーバッグ、エコバッグ |
財布・貴重品 | 財布、定期入れ、キーケース、アクセサリー、時計 |
電子機器 | スマートフォン、タブレット、ノートPC、イヤホン、充電器 |
衣類 | 上着、マフラー、手袋、帽子、靴 |
傘 | 折りたたみ傘、長傘 |
その他 | 書籍、文房具、スポーツ用品、おもちゃ等 |
9.2 よくある質問(FAQ)
Q1: 写真を撮影する際の注意点は? A: 全体像がわかる写真と、ブランドロゴや傷など特徴がわかる写真を必ず撮影してください。個人情報(名前、住所など)が写り込まないよう注意してください。
Q2: 現金の落とし物はどう管理する? A: 現金は金額のみをシステムに記録し、実物は金庫など別の場所で厳重に管理してください。詳細な金額や札の種類などは、本人確認の質問として活用します。
Q3: 保管期限を過ぎてしまった場合は? A: すぐに処分せず、管理者に報告してください。貴重品や高額品については、さらに一定期間保管を継続する判断をする場合があります。
Q4: 同じような物品が複数ある場合の対応は? A: それぞれ個別にレコードを作成し、細かな違い(色の濃淡、傷の位置、サイズ感など)を詳細に記録してください。問い合わせ時には、複数候補がある旨を伝え、より詳細な特徴を質問します。
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10. 改訂履歴
版数 | 改訂日 | 改訂内容 | 作成者 |
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1.0 | 2025-10-09 | 初版作成 | Claude |